ソロピアノのスタイルには、
- クラシックピアノ
- ジャズピアノ
- ポピュラーピアノ
の3種類があります。
なんとなくの違いはわかっても、具体的な違いについてはわからない方も多いと思います。
それぞれどんな特徴があるのか、順番にみていきましょう。
クラシックピアノとは?
クラシック音楽は、ヨーロッパで生まれた教会音楽を源流とした音楽です。中世ヨーロッパで宮廷音楽、市民に対する音楽、自己表現としての音楽へと演奏形態を変え、現代につながっています。
当時、録音技術があったわけではないのに、その時代の音楽が引き継がれているのは、当時の音楽家が記した「楽譜」が残っているからです。
そのため、クラシックは楽譜をもとに演奏する「再現の芸術」といわれることもあります。
クラシックピアノは、ピアノで楽譜を忠実に再現して演奏するスタイルです。ただ楽譜通りに弾けばいいというわけではなく、その楽曲が作られた時代背景や音楽家の思想などを想像し、どう表現すればいいのかを追求し続ける、奥の深い世界でもあります。
そして幼少期に楽譜通りに弾く練習をたくさん重ね、数百という曲を暗譜し、間違えずに弾ける上で、研究を重ねて演奏で表現するのが、いわゆるプロのピアニストなのです。
プロのピアニスト同士でも、同じ曲を演奏しているのに印象が違うことがあるのは、楽譜通りに弾いていないのではなく、その曲に対する考え方の違いなどで表現が違っているからなのです。
ジャズピアノとは?
ジャズの発祥は、1900年代初頭のアメリカ、ニューオリンズといわれています。
クラシックに比べて歴史は浅いですが、その進化と広まるスピードはとてもはやく、クラシック同様、魅力のある音楽ジャンルとして成立しています。
ジャズの特徴といえば、
- アドリブ(即興)
- アレンジ
- リズム(スウィング)
の3つがあげられます。
そして演奏の構成は
テーマ→アドリブ→テーマ
となるのが一般的です。
テーマはあらかじめ作られているメロディ部分です。
テーマの後にくるのがアドリブ(即興)ですが、アドリブだからといって好き放題に演奏すると、まとまりがなくなってしまいます。そこで重要なのが、「コード」です。
- コードとは
- 2つ以上(3和音や4和音)の音を組み合わせたもの。
ポップスなどにもコードは使われますが、ジャズっぽいサウンドを演奏するためのコード進行があります。
演奏者は最初にメロディ部分を演奏し、コード進行を頼りにアドリブ(即興)演奏を繰り返して、最後にまたメロディ部分を演奏することで、曲として成立させているのです。
曲の8割はアドリブ(即興)で演奏されるため、二度と同じ演奏はできません。また曲の本来のメロディは同じでも演奏者によって全く変わった曲になるのもジャズの特徴です。
アドリブ(即興)で演奏するというのは、実はとてもむずかしいテクニックです。習得するにはコードやスケールといったジャズ理論の勉強も必要です。
さらにジャズのイメージにもなるのが、スウィングと言われる独特なリズムです。このリズムの習得にも時間がかかります。
こうした技法を使って、ピアノで演奏するスタイルがジャズピアノです。
ジャズピアノは、オンラインレッスンで学ぶこともできます。
JazzーStepsは、ジャズのむずかしいコードやスケールをゲーム感覚でトレーニングして習得できるオンラインピアノ教室です。
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Jazz─Steps
ポピュラーピアノとは?
クラシックやジャズと違い、ポピュラーピアノというジャンルはないのですが、ポピュラーピアノは、
J-POPや洋楽、映画音楽など様々な曲をアレンジして楽しむ
といったスタイルの音楽です。
具体的には、コード進行が書いてある楽譜「リードシート」をもとに、自由にアレンジして弾きます。
- リードシートとは
- 五線譜にメロディとコード進行が書かれたもの。
メロディを右手で弾き、左手でコードを弾きます。
楽譜通りに弾かずアレンジするのはジャズと似ていますが、むずかしい理論の習得は必要ありません。
コードを和音で弾いたり、アルペジオで弾いたり、またリズムをアップテンポにしたり、バラード調にしたり、ラテンっぽくしたり・・・など自由にアレンジし、ポップスなどの曲を再現します。
楽譜が読めない人や、大人になってからピアノを始めたい方などが取り組みやすいのも特徴です。